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心に灯る物語

『アポカリプスホテル』に学ぶ、世界の終わりに「働く」ことの意味

もし、世界に自分たち以外の誰もいなくなってしまったら。もし、自分の仕事が、誰かに見られることも、評価されることもなくなったとしたら。あなたは、それでも働き続けますか?

『アポカリプスホテル』は、人類が滅亡した後の地球で、一軒のホテルを健気に運営し続けるロボットたちの物語です。「終末世界」という絶望的な舞台設定とは裏腹に、そこで繰り広げられるのは、どこまでも真面目で、シュールで、そして心温まる「お仕事コメディ」。本作は、働くことの根源的な意味を、私たちに問いかけます。

お客様は、いつか必ずいらっしゃいます。その日のために、完璧な準備をしておくだけです。

絶望的な状況で輝く、おもてなしの心

本作の鑑賞の魅力は、「世界の終わり」と「ホテルの日常業務」という、究極のギャップにあります。お客様が来るあてなどないのに、シーツを替え、床を磨き、完璧なサービスをシミュレーションし続けるロボットたち。その姿は、滑稽でありながら、あまりにも健気で、愛おしい。シャンプーハットの在庫がないだけで大騒ぎするなど、彼らのズレた生真面目さが、絶望的な世界観に温かい笑いを生み出しています。

彼らの行動を鑑賞することは、私たちに「仕事への誇り」とは何かを教えてくれます。誰かに評価されるからやるのではない。給料のためだけでもない。ただ、自分の仕事に誇りを持ち、完璧にこなすこと。その行為自体が、彼らにとっての存在意義なのです。

日常の尊さを、世界の終わりに見出す

私たちは、日々の仕事に追われる中で、つい「何のために働いているんだろう」と考えてしまうことがあります。しかし、『アポカリプスホテル』のロボットたちは、そんな問いに究極の答えを提示してくれます。

それは、「働くこと」自体が、日常を支え、心を支える、尊い営みであるということです。たとえ世界の終わりが来ても、変わらない日常がある。その安心感が、どれほど心を豊かにしてくれることか。この静かで優しい物語は、私たちが毎日繰り返している仕事の中にこそ、かけがえのない価値が眠っていることを、そっと気づかせてくれるでしょう。

灯台守(MASATAKA)のプロフィール写真

この記事の著者

灯台守

(執筆・監修:MASATAKA)

大創社 コンテンツディレクター / AI共創ストラテジスト

20年以上のWeb開発・翻訳経験を持ち、言葉とテクノロジーの両方を扱う創造的な専門家。翻訳家(2003-)として『孫正義名語録 情熱篇』などを手掛け、2013年に大創社を創業。

「評価」ではなく「鑑賞」を軸とした独自の組織開発手法の開発者(特願取得済)。心理的安全性と創造性を育む「学習鑑賞ポートフォリオ」を通じて、教育機関・企業の変革を支援。

現在はAI共創戦略により、書籍9言語同時展開を実現。日々の思索と対話を通じて、世界に眠る可能性を探求し続けています。

鑑賞ポートフォリオ AI活用戦略 組織開発 教育工学 多言語翻訳

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