圧倒的な才能は、時に人を孤独にします。誰にも理解されない高みにいる天才は、その力を何のために使うべきなのでしょうか。そして、その孤独を埋めてくれる存在は、どこにいるのでしょうか。
『王様達のヴァイキング』は、コミュニケーション能力はゼロだが、神がかり的なハッキングスキルを持つ少年・是枝一希が、エンジェル投資家の坂井と出会い、サイバー犯罪の世界に身を投じていく物語です。本作は、リアルなテクノロジー描写をベースにしながらも、その核心では、一人の青年が自分の殻を破り、社会と繋がっていくまでを描く、熱い人間ドラマなのです。
お前のその力は、何のためにある? 金のためか? それとも、世界を良くするためか?
コードの向こう側にある、人の心
本作の鑑賞の魅力は、是枝がその天才的な技術で、次々と困難な事件を解決していく爽快感にあります。しかし、物語が進むにつれて、私たちは気づかされるのです。是枝が本当に戦っているのは、悪意あるハッカーではなく、彼自身の「孤独」なのだと。
人との関わりを避け、コンピュータだけを信じてきた彼が、坂井や他の仲間たちとの出会いを通して、徐々に心を開いていく。自分の技術が、誰かを助け、社会を良くするために使えるのだと知っていく。その成長の過程こそが、この物語の最大の感動ポイントです。テクノロジーは、それ自体に善悪はなく、使う人間の「心」次第なのだと、本作は教えてくれます。
自分の「武器」で、どう社会と戦うか
誰もが、何かしらの「武器」を持っているはずです。それは、特別なスキルかもしれないし、あるいは、人より少し得意なことかもしれません。『王様達のヴァイキング』は、そんな自分の武器をどう磨き、どう使うべきかを考える、絶好のきっかけを与えてくれます。
ITやベンチャーの世界に興味がある人はもちろん、自分の専門分野でどう社会に貢献できるか悩んでいる人、あるいは、人間関係に不器用さを感じている人。そんなすべての人に、この孤独な天才の成長物語は、熱いエールを送ってくれるはずです。あなたの持つ力は、きっと誰かを、そして世界を良くするために使えるのだと。