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心に灯る物語

『RobiHachi』に見る、人生に「無駄」と「寄り道」が必要なワケ

私たちは、つい効率や生産性を追い求めてしまいます。最短距離で目的地に着くこと、無駄な時間をなくすこと。しかし、本当に豊かな人生とは、そんなにキッチリと計画されたものなのでしょうか。

オリジナルアニメ『RobiHachi』は、借金取りから逃げるために宇宙へ飛び出した、自称フリーランスのロビーと、お人好しの青年ハッチのドタバタなロードムービーです。目指すは、パワースポットだらけの伝説の惑星「イセカンダル」。しかし、彼らの旅は寄り道とトラブルの連続で、一向に目的地にたどり着きません。本作は、そんな「無駄」だらけの旅を通して、人生の本当の楽しさを教えてくれる、最高の脱力系SFコメディなのです。

旅にトラブルはつきものさ。むしろ、それが醍醐味ってもんだろ?

昭和レトロフューチャーと、ゆるいギャグの応酬

本作を鑑賞する上でまず楽しいのは、その独特の世界観です。どこか懐かしい昭和の香りがする未来都市、奇妙な宇宙人たち、そして往年の名作SFやロボットアニメへの愛に満ちたパロディ。知っている人なら思わずニヤリとしてしまう小ネタが、全編にわたって散りばめられています。

そして何より、主人公であるダメ男二人の掛け合いが秀逸です。基本的に行き当たりばったりで、何の成長もしない(ように見える)彼らのゆるいやり取りを見ていると、日々の悩みやストレスがどうでもよくなってくるから不思議です。難しいことを考えずに、ただ笑ってリラックスしたい。そんな時にぴったりの作品です。

目的地よりも、道中の出会いこそが宝物

効率を重視する現代社会では、「寄り道」や「無駄」は、ともすればネガティブな言葉として捉えられがちです。しかし、ロビーとハッチの旅は、そんな価値観を軽やかに笑い飛ばしてくれます。

彼らは、旅の先々で様々な星に立ち寄り、個性的な人々と出会い、くだらない騒動に巻き込まれます。一見すると、それは目的地の「イセカンダル」から遠ざかるだけの無駄な時間かもしれません。しかし、その無駄な時間こそが、彼らの旅を豊かで、忘れられないものにしているのです。この物語は、私たちに教えてくれます。人生とは、目的地にたどり着くことだけが全てじゃない。道中で誰と出会い、何を感じるか。その寄り道の過程にこそ、本当の宝物が隠されているのかもしれない、と。

灯台守(MASATAKA)のプロフィール写真

この記事の著者

灯台守

(執筆・監修:MASATAKA)

大創社 コンテンツディレクター / AI共創ストラテジスト

20年以上のWeb開発・翻訳経験を持ち、言葉とテクノロジーの両方を扱う創造的な専門家。翻訳家(2003-)として『孫正義名語録 情熱篇』などを手掛け、2013年に大創社を創業。

「評価」ではなく「鑑賞」を軸とした独自の組織開発手法の開発者(特願取得済)。心理的安全性と創造性を育む「学習鑑賞ポートフォリオ」を通じて、教育機関・企業の変革を支援。

現在はAI共創戦略により、書籍9言語同時展開を実現。日々の思索と対話を通じて、世界に眠る可能性を探求し続けています。

鑑賞ポートフォリオ AI活用戦略 組織開発 教育工学 多言語翻訳

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