← 航海日誌一覧へ戻る

心に灯る物語

『翼くんはあかぬけたいのに』が示す、ファッションは「誰かのため」で、いい。

「オシャレは自分のためにするものだ」と、よく言われます。もちろん、それは真実でしょう。しかし、もし「好きな誰かのために変わりたい」と願う気持ちが、自分を磨く原動力になるのなら、それもまた、同じくらい尊いことではないでしょうか。

『翼くんはあかぬけたいのに』は、ファッションに無頓着な主人公・翼くんが、憧れのギャル・天野さんの隣にふさわしい男になるため、オシャレ猛勉強に励むラブコメディです。本作は、ファッション初心者向けの教科書として役立つだけでなく、恋する人のために一生懸命になることの愛おしさと、その努力を見守り、応援してくれる存在の温かさを、私たちに教えてくれます。

変わりたいって思う気持ちが、一番のオシャレなのかもね。

試行錯誤の過程こそが、自分を作る

本作の鑑賞の魅力は、翼くんがファッションの知識を一つ一つ学び、失敗を繰り返しながらも、少しずつ成長していく過程そのものにあります。サイズ感、色合わせ、TPO。彼がぶつかる壁は、多くの人が一度は経験したことのある、リアルな悩みばかりです。だからこそ、読者は彼の挑戦を、まるで自分のことのように応援したくなるのです。

そして、そんな彼の不器用な努力を、天野さんが決して馬鹿にせず、優しく見守ってくれる関係性が、この物語を何倍も魅力的にしています。誰かが見ていてくれる。その安心感が、人が一歩前に踏み出すための、最大の勇気になることを、本作は優しく描き出します。

「好き」がくれる、変わるための勇気

自分を変えることは、簡単なことではありません。時には周りから笑われたり、自分自身で「似合わない」と諦めてしまったりすることもあるでしょう。しかし、翼くんは「天野さんの隣にいたい」という強い想いを原動力に、挑戦を続けます。

この物語は、ファッションというテーマを通して、私たちに「好き」という感情が持つ、計り知れないパワーを思い出させてくれます。誰かのために変わりたいと願う、その純粋な気持ち。それこそが、自分自身の殻を破り、新しい世界への扉を開く、最も強力な鍵なのかもしれません。読めばきっと、少しだけオシャレをして、誰かに会いに行きたくなる。そんな爽やかで心温まる一作です。

灯台守(MASATAKA)のプロフィール写真

この記事の著者

灯台守

(執筆・監修:MASATAKA)

大創社 コンテンツディレクター / AI共創ストラテジスト

20年以上のWeb開発・翻訳経験を持ち、言葉とテクノロジーの両方を扱う創造的な専門家。翻訳家(2003-)として『孫正義名語録 情熱篇』などを手掛け、2013年に大創社を創業。

「評価」ではなく「鑑賞」を軸とした独自の組織開発手法の開発者(特願取得済)。心理的安全性と創造性を育む「学習鑑賞ポートフォリオ」を通じて、教育機関・企業の変革を支援。

現在はAI共創戦略により、書籍9言語同時展開を実現。日々の思索と対話を通じて、世界に眠る可能性を探求し続けています。

鑑賞ポートフォリオ AI活用戦略 組織開発 教育工学 多言語翻訳

この思索の光が、誰かの道を照らすかもしれません

あなたの心に灯った、他の物語はありますか?

私たちの航海日誌では、これからも様々な物語に光を当てていきます。あなたの「好き」と、私たちの「鑑賞」が、どこかで交差することを願って。

他の心に灯る物語を読む

この「鑑賞」の輪を、社会全体へ広げる試みに興味はありませんか?
→ Gakupo Universityで、共に学び合う