正義の反対は、本当に「悪」なのでしょうか。もし、法で裁けぬ悪を、より大きな「悪」で断罪する者がいたとしたら。本作『憂国のモリアーティ』は、かの有名なシャーロック・ホームズの宿敵、モリアーティ教授を主人公に据え、そんな倒錯した正義の物語を、スリリングに描き出します。
我々は、この国の悪を、悪で以て裁く。
「必要悪」という、禁断の思想を鑑賞する
私たちが本作で「鑑賞」したいのは、モリアーティが仕掛ける、完全犯罪の数々だけではありません。注目すべきは、彼をその道へと駆り立てた、腐敗した階級社会への深い絶望と、国を憂う、その純粋な想いです。彼のやり方は、決して許されるものではありません。しかし、その根底にある強い正義と覚悟には、私たちの倫理観を揺さぶる、不思議な説得力が宿っています。
あなたの「正義」は、何を裁きますか?
この物語は、私たちに「正義とは何か」という、単純ではない問いを投げかけます。法の下の正義か、それとも、結果としての正義か。宿敵シャーロック・ホームズとの息詰まる頭脳戦を通して、二つの異なる「正義」が激しくぶつかり合います。エンターテインメントとして楽しみながら、自らの正義感を試されるような、知的で刺激的な体験が、あなたを待っています。