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プロダクト開発記

ID:123の秘密 — なぜ、Gakupo Universityは、あなたの「名前」を必要としないのか

導入

編集者注

この記事は、私たちのアプリの初期バージョン(v1)で採用されていた「共通ID:123」の思想を、その歴史的価値を尊重し、記録として残したものです。現在の匿名性に関する最新の思想と仕様については、以下の新しい記事をご覧ください。

→ 最新の記事「匿名の進化 — なぜ、私たちは「所属」を選ぶのか」を読む

現代のデジタル社会において、私たちの「名前」や「アイデンティティ」は、信用を築くための通貨です。しかし、もし、その通貨が、時として、私たちを自由にさせない「檻」になっているとしたら?

Gakupo Universityの最もラディカルな、そして最も誤解されやすい特徴。それは、参加者全員が**「所属ID: 123」**という、たった一つの共通IDを使い、**完全に匿名で対話する**というルールです。この航海日誌は、私たちがなぜ、あえて「名前」を捨てるという、時代の逆を行く決断をしたのか、その思想の裏側を解き明かす物語です。

本質:「評価」の源泉を、断ち切る

私たちが戦っている「評価」という名の霧。その最も深い根源は、どこにあるのでしょうか。それは、私たちの「名前」に付随する、**過去の実績、役職、年齢、性別、そして評判**といった、無数の「ラベル」です。

私たちは、意識せずとも、相手の「ラベル」を見て、その発言の価値を判断してしまいます。「〇〇大学の教授が言うなら、正しいだろう」「新入社員の意見だから、まだ浅いだろう」と。これこそが、本質的な対話を阻害する、最大のノイズなのです。

「名前」を捨てることは、これらの全ての「ラベル」を捨て去ることです。それは、私たちを「評価」の呪縛から完全に解放するための、最も直接的で、最も強力な一歩なのです。

鑑賞:「名前」を捨てることで、得られるもの

この完全な匿名性が、Gakupo Universityに、二つの、かけがえのない価値をもたらします。

1. 絶対的な「心理的安全性」

ここでは、誰もあなたの過去を知りません。誰も、あなたの社会的地位を知りません。だからこそ、あなたは、どんな素朴な疑問も、どんな大胆な仮説も、失敗を恐れることなく、安心して言葉にすることができます。ここは、あなたの思考が、裸のまま、自由に羽ばたける、唯一の聖域です。

2. 「言葉」そのものとの、純粋な対話

発言者の「ラベル」が消え去った時、私たちに残されるのは、ただ、そこに書かれた「言葉」だけです。私たちは、もはや「誰が言ったか」で判断することはできません。「何が書かれているか」そのものと、真剣に向き合うしかなくなるのです。これこそが、私たちの目指す、最も純粋で、最も本質的な「鑑賞」の姿です。

洞察:ID:123の秘密は、「隠す」ことではなく、「現す」こと

多くの人が、匿名性を「身を隠すための盾」だと考えます。しかし、Gakupo Universityにおける匿名性は、全く逆です。

それは、私たちを覆っている、社会的な「ラベル」という名の鎧を脱ぎ捨て、**私たちの内なる、最も誠実で、最も純粋な「思考」そのものを、世界に現すための、最高の舞台**なのです。

ID:123の秘密。それは、名前を捨てることで、私たちは初めて、本当の意味で「自分自身」として、他者と出会い直すことができる、という、一つの希望の物語なのです。

灯台守(MASATAKA)のプロフィール写真

この記事の著者

灯台守

(執筆・監修:MASATAKA)

大創社 コンテンツディレクター / AI共創ストラテジスト

20年以上のWeb開発・翻訳経験を持ち、言葉とテクノロジーの両方を扱う創造的な専門家。翻訳家(2003-)として『孫正義名語録 情熱篇』などを手掛け、2013年に大創社を創業。

「評価」ではなく「鑑賞」を軸とした独自の組織開発手法の開発者(特願取得済)。心理的安全性と創造性を育む「学習鑑賞ポートフォリオ」を通じて、教育機関・企業の変革を支援。

現在はAI共創戦略により、書籍9言語同時展開を実現。日々の思索と対話を通じて、世界に眠る可能性を探求し続けています。

鑑賞ポートフォリオ AI活用戦略 組織開発 教育工学 多言語翻訳

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この決断の背景にある、私たちの「鑑賞」という哲学について、さらに深く知りたい方は、ぜひこちらの物語もご覧ください。

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