「手伝おうか?」がなぜ相手を怒らせるのか — 家事の主体性とオーナーシップ
灯台守 MASATAKA
夫が妻に、あるいは妻が夫に。「何か手伝おうか?」。優しさから出たはずのこの言葉が、なぜか相手の機嫌を損ねてしまうことがあります。書籍『「じゃあ、あんたが作ってみろよ」と、心で叫んだすべての人へ』でも触れられている、現代家庭の最大のミステリーです。
「手伝う」=「責任は君にある」
この言葉が怒りを買う理由はシンプルです。「手伝う」という言葉には、「主担当は君であり、僕はあくまで補助(ゲスト)だ」という無意識の前提が含まれているからです。
家事というプロジェクトにおいて、当事者意識(オーナーシップ)が欠如している。その姿勢が、相手に「孤独感」や「重荷」を感じさせてしまうのです。
「手伝う」から「分担する」、そして「鑑賞する」へ
解決策は、タスクをこなすことではなく、視座を変えることです。
- タスクの全体像を把握する: 「ゴミ捨て」だけでなく、「ゴミを集め、分別し、新しい袋をセットする」までがゴミ捨てです。
- オーナーシップを持つ: 「風呂掃除担当」ではなく、「バスルームの衛生責任者」という意識を持つこと。
- 鑑賞する: 相手がやってくれた家事に対して、「ありがとう」だけでなく、「ここを綺麗にしてくれて気持ちいいね」と具体的に鑑賞すること。
HMST検定では、こうした「名もなき家事」の解像度を高めるトレーニングを行います。家事の全体像が見えれば、「手伝おうか?」ではなく「次は僕がやるよ」という言葉が自然と出るはずです。
この記事の著者
灯台守MASATAKA
大創社 コンテンツディレクター / AI共創ストラテジスト
「評価」ではなく「鑑賞」を軸とした独自の組織開発手法の開発者。心理的安全性と創造性を育む「学習鑑賞ポートフォリオ」を通じて、教育機関・企業の変革を支援。