親たちが支援を受けるペアレント・サポート・グループ(PSG)。その傍らで、子どもたちは保育士や保健師と、どのような時間を過ごしているのでしょうか。本書は、これまで光が当てられてこなかった、その「保育場面」にこそ、子どもの発達を支える重要な「ケア」が存在することを発見した、私たちの研究報告です。
この研究は、「当たり前」と見過ごされがちな専門職の関わりを、質的研究の手法を用いて丁寧に言語化し、その専門的価値を明らかにすることを目的としています。これは、保育や保健の現場で働く方々への、静かなエールでもあります。
『PSG(ペアレントサポートグループ)開催時の保育場面における保育士・保健師によるケア的要素』
子育て支援の現場における、見過ごされたケアの価値を解明する
「当たり前の実践」を、学術の光で照らす
本書の核となるのは、実際の保健センターで行われたPSGの保育場面を、記述的に分析した質的研究です。専門職が子どもと交わす何気ないやり取りの中に、どのような「ケア的要素」が含まれているのかを具体的に抽出し、分類・構造化しました。
専門職による「ケア」は、特別な場面だけで行われるのではありません。日常的な、当たり前の関わりの中にこそ、その本質は宿っています。
すべての子育て支援専門職へ
本書を通じて、子育て支援に関わる専門職の方々は、自らの実践の価値を再認識し、多職種チームの中で自らの役割を明確にするための視点を得ることができます。また、研究者や学生にとっては、子どもの「グレイゾーン」へのケアを考える上での、貴重な資料となるでしょう。
この本が、現場で奮闘する方々の専門性に光を当て、その価値が正当に評価される社会への一歩となることを願っています。