← 航海日誌一覧へ戻る

灯台守の書斎

なぜ、私たちは「学習鑑賞ポートフォリオ」を開発したのか

「学習鑑賞」という哲学は、多くの教育者に共感をいただきました。しかし同時に、「理念は素晴らしいが、多忙な現場でどう実践すればいいのか」という切実な声も届きました。その声に応えるため、私たちは思想を具体的な「形」にする必要性を感じていました。それが、このポートフォリオ開発の原点です。

このポートフォリオは、単なる作品ファイルではありません。それは、子どもたちの学びの軌跡を可視化し、鑑賞を通じた対話を生み出すための「舞台装置」なのです。

書籍『「評価」をやめて「学びの鑑賞」へ - 牧口常三郎の思想に学ぶ、AI時代の教師の再生 -』の表紙

『「評価」をやめて「学びの鑑賞」へ - 牧口常三郎の思想に学ぶ、AI時代の教師の再生 -』

学びのプロセスを可視化し、ピア・ラーニングを促進する実践ツール

思想を「実践」に変える、具体的なツールの必要性

ポートフォリオの最大の目的は、目に見えにくい「学びのプロセス」を、子ども自身と、周囲の人間(教師、保護者、そして仲間)が見えるようにすることです。子どもたちは、自分の作品だけでなく、「なぜそう考えたのか」「どこで苦労したのか」「何を試したのか」といった思考の足跡を記録します。

この「プロセスの可視化」こそが、鑑賞の質を深めます。私たちは、完成品という「点」だけでなく、そこに至るまでの試行錯誤という「線」を見ることができるようになり、より深く、敬意をもって子どもの学びと向き合えるのです。

このポートフォリオは、子どもにとっては自分の学びを客観的に振り返る「メタ認知」の訓練となり、大人にとっては子どもの内なる世界を旅するための「招待状」となるのです。

ポートフォリオが育む「メタ認知」と「ピア・ラーニング文化」

自分の学びを記録し、振り返る習慣は、子どもたちが「自分はどのように学ぶのか」を自覚する、すなわち「メタ認知能力」を育む上で極めて重要です。自分の思考パターンや得意な戦略を理解することは、自律的な学習者へと成長するための鍵となります。

さらに、このポートフォリオは、子ども同士が互いの学びを鑑賞し合う「ピア・ラーニング」の文化を醸成します。「すごいね」という漠然とした感想ではなく、「この色の組み合わせ、面白いね」「そんな方法を思いついたんだ!」といった具体的な鑑賞コメントが飛び交う教室。そこはもはや、教師が一方的に評価する場ではなく、全員が学びの当事者となる、創造的なコミュニティです。

私たちは、このポートフォリオという小さなツールが、日本の教室風景を、より温かく、より知的なものへと変える大きな力を持つと信じています。この一冊が、あなたの実践の、確かな一歩となることを願ってやみません。

灯台守(MASATAKA)のプロフィール写真

この記事の著者

灯台守

(執筆・監修:MASATAKA)

大創社 コンテンツディレクター / AI共創ストラテジスト

20年以上のWeb開発・翻訳経験を持ち、言葉とテクノロジーの両方を扱う創造的な専門家。翻訳家(2003-)として『孫正義名語録 情熱篇』などを手掛け、2013年に大創社を創業。

「評価」ではなく「鑑賞」を軸とした独自の組織開発手法の開発者(特願取得済)。心理的安全性と創造性を育む「学習鑑賞ポートフォリオ」を通じて、教育機関・企業の変革を支援。

現在はAI共創戦略により、書籍9言語同時展開を実現。日々の思索と対話を通じて、世界に眠る可能性を探求し続けています。

鑑賞ポートフォリオ AI活用戦略 組織開発 教育工学 多言語翻訳

この思想を、あなたの組織で実践しませんか?

書籍で語られている哲学を、あなたのチームで具体的にどう活かせるか。ぜひ一度、対話を通じて一緒に探求させてください。

AIとの共創プロデュースについて見る

この「鑑賞」の輪を、社会全体へ広げる試みに興味はありませんか?
→ Gakupo Universityで、共に学び合う